GCP認定資格試験のオススメ勉強法
目次
- この記事の対象者
- GCP認定試験の概要と資格一覧
- オススメ試験対策法・教材
- GCPの理解にオススメの本
- まとめ
- 参考記事
1. この記事の対象者
この記事はGCPとは何かを知っていて、軽くでも使ったことがあり、GCPの認定試験を受けようとしているエンジニアの方を対象としています。 GCPってなに?という方にはさすがに厳しいかもしれません。
また、エンジニアでない方には少し難易度が高いかもしれません。
この記事で後ほど説明しているように、メインはアソシエイトレベルの認定資格であるAssociate Cloud Engineerの勉強法についての解説をメインに行います。
GCPを使ったことはあるものの、あまり知識がないという方は、4. GCPの理解にオススメの本 を一通り勉強してみるといいと思います!
2. GCP認定資格の概要と資格一覧
資格概要
この記事で扱うのは、Googleが公式に行っているGoogle Cloud Platform(GCP)の認定資格の勉強法についてです。
レベルや分野ごとにいくつかの試験に分かれています。
一応、18歳以上でないと受けられないという制限があります。
また、資格は一度取得しても、2年間の有効期限が設けられています。資格を維持したい場合には、期限が切れる前に再受験して、認定を再度受ける必要があります。
(ざっくり言えば、AWSの認定試験とかなり似ています)
資格一覧
資格をレベル順に並べた一覧は以下のとおりです。
実は、日本語で受験できる資格は5つしかありません。ほとんどが英語のみの対応です。
(※ 最新情報は必ず公式ドキュメントをご覧ください)
区分 | 試験名 | 受験料 | 日本語対応 | 試験時間 |
---|---|---|---|---|
Foundational | Cloud Digital Leader | $75 | ○ | 1.5時間 |
Associate | Cloud Engineer | $125 | ○ | 2時間 |
Professional | Cloud Architect | $200 | ○ | 2時間 |
Professional | Cloud Developer | $120 | 4時間 | |
Professional | Data Engineer | $200 | ○ | 2時間 |
Professional | Cloud DevOps Engineer | $200 | 2時間 | |
Professional | Cloud Security Engineer | $200 | 2時間 | |
Professional | Cloud Network Engineer | $200 | 2時間 | |
Professional | Collaboration Engineer | $200 | ○ | 2時間 |
Professional | Machine Learning Engineer | $200 | 2時間 |
Foundational資格は、本当に基礎的な内容が出題されるため、必ずしも実務経験は必要ではないようです。
AssociateとProfessional資格は、実務経験のあるエンジニアでないとさすがに難しいでしょう。
Google公式の推奨として、
- Associate資格は、「6ヶ月以上のGoogle Cloud実務経験」
- Professional資格は、「Google Cloudでの1年以上の経験を含む、3年以上の業界経験」
があることが望ましいとされています。
ちなみに、Professional資格は、Associateの資格がなくても受験は可能です。
本記事では、中級レベルであるAssociate認定資格の勉強法についてのみ扱うため、他のレベルの資格についてはほとんど説明を行いません。
(Professional資格は資格名から何の知識が問われそうかなんとなく推測していただけるのではないでしょうか。)
3. オススメ試験対策法・教材
まずは公式ドキュメントを読むべし
こんな記事を読むよりも先にまずは、公式の情報を頼りにしましょう。
Googleによる公式の模擬試験もドキュメント内で公開されています。
【Associate Cloud Engineer公式ドキュメント】
(※ 試験の受験登録もこのドキュメントに記載されている方法で行ってください。)
まずは模擬試験を説いて、試験の傾向や難易度をざっくり掴みましょう。
丁寧に答えの解説もしてくれます。
公式ドキュメントでオススメされている勉強法
これから公式ドキュメントでオススメされているオンライントレーニングなどの勉強法を紹介していきますが、個人的には、4. GCPの理解にオススメの本などの書籍でサクッと全体を理解してみるものオススメです。
Google Cloud Skills Boost
実は、2021年10月7日から、Google Cloud Skills Boostという、新しいオンライン講座のプログラムがGoogle公式から発表されました。 日本語にも対応しています。
新しいと言っても、実は、もともと存在しているQwiklabsというサービスをGoogleが買収し、Google公式としてブランドを変更しただけのようです。
(Googleはすぐそういうことをするからややこしい)
Qwiklabs自体は、GCPだけでなく、AWSなどのクラウドプラットフォームを体験学習できるラボ環境を提供してくれているサービスです。
基本は、有料制で、「クレジット」というものを購入し、講座ごとに設定されたクレジットを消費して講座を受けます。定額の1ヶ月間利用し放題のプランもあるようです。
CourseraのGCP公式講座
CourseraにもGCPが公式に提供しているArchitecting with Google Compute Engine 日本語版専門講座という講座が、その名の通り日本語で公開されています。
7日間の無料トライアル期間付きで、その後は毎月5,500円ほどの課金がされます(為替レートなどによって変わるかも??)。
(※ ちなみに、Courseraは、Coursera Plusというサブスクプランに課金すれば、他の講座も毎月6,999円で受け放題のようです。)
GCP公式の参考書
GCP公式の認定試験対策本として、『Google Cloud認定資格Associate Cloud Engineer公式ガイド』があります。
この参考書はAmazonでの評価もすこぶる悪いですし、私自身も正直強くはオススメはしません。
実際、2019年に英語版で出版されたものを日本語に訳しただけなので、サービスの説明も古く、誤訳・不自然な日本語も散見されます。
英語版は、Google公式でオススメされており、日本語版はグーグル・クラウド・ジャパンが監訳しているということですが、かなりお粗末な代物ですね、、、
ただ、説明のカバー範囲が広いことと練習問題が多いことが唯一の救いです。 (練習問題の答えにも間違いがあるという指摘もあります。)
Udemyオススメ試験対策講座
試験対策の模擬問題集講座でひたすら問題を解いて、解説を覚えてを繰り返すことをオススメします。
【GCP認定資格】Google Cloud Platform Associate Cloud Engineer模擬問題集
解説も非常に丁寧なので、udemy講座の中では一番オススメです。 一方で、問題の傾向には偏りがあるので、この問題集だけ解ければいいということにはならないでしょう。
英語版ですが、こちらも。 Google Cloud Associate Cloud Engineer Practice Test 2021
英語でもこういう試験の英語はそんなに難しくありませんし、翻訳すればかなりの精度で翻訳できるものです。 勉強に多少時間がかかりますが、解説も丁寧ですし、解く問題数を稼ぐという上では、非常に有用な教材でしょう。
ほとんど解説がありませんが、下記の問題集も最終チェックには使えるのではないでしょうか。 Google Cloud 認定 Associate Cloud Engineer 模擬問題集
4.GCPの理解にオススメの本
直接の試験対策用参考書ではないですが、概要を掴んでいくためにオススメの参考書を簡単にご紹介します。個人的な感想やおすすめポイントも記載していますので、ご参考にしていただければ。
Googleが公式にオススメしている、Google Cloud Skills Boostや『Architecting with Google Compute Engine 日本語版専門講座』の代替になりうる参考書群です。
一点、注意が必要なのは、2021年の5月にVertex AIが発表され、AI系サービスで大きな建付けの変更が行われたことです。
Vertex AIは、既存のGCPのAIサービス群(AI Platform, AutoML, 機械学習系のAPIサービス)を統合したものをベースとしたプラットフォームです。
ここで紹介するAI系サービス系の参考書は当然この変更の内容までは取り込めいないようです。 ただ、これらの本の中で触れられている各サービスそのものがなくなったわけではないので、ベースの説明は今も有用です。
基礎編
- 『GCPの教科書』
- GCPの変化速度が速すぎるので、サービス名が違うところが少しあるが、調べながら読めば内容自体に大きな問題はない
- とくに、BigQuery、Cloud DataflowやDataprocなどのデータ処理・データ分析に必要なツール群は馴染みのない方もいると思うので、他の本でも知識を補ったほうがいいだろう
- 『ハンズオンで分かりやすく学べる Google Cloud実践活用術 データ分析・システム基盤編 Google監修』
- データ分析系のツールとコンテナ系のサービス(主にGKE)についてかなり詳しく書かれている
- データ分析系のサービスの学習としてとっつきやすい
- 『ハンズオンで分かりやすく学べる Google Cloud実践活用術 AI・機械学習編 Google監修』
- これも上の本と同じシリーズ
- Amazonの評価は高くないが、とりあえずAI系のサービスに触れてみるという意味ではいい本だし、AI系サービス群の説明はかなり分かりやすい
発展編
- 『GCPの教科書II 【コンテナ開発編】 KubernetesとGKE、Cloud Run、サービスメッシュを詳解』
- GCPのコンテナ系サービスに特化した参考書としては、一番詳しいのがこの本
- あまり試験には出ないし、GCP特有のものではないが、日本語の本でIstioの説明が一番ちゃんとしている本かもしれない
- 『GCPの教科書III【Cloud AIプロダクト編】 機械学習API、AutoML、BigQuery ML、AI Platformを詳解』
- このような問題に対処するため、Vertex AI は複数の Google Cloud サービスをまとめ、統合された UI および API のもとで ML を構築できるようにしているのが特長です
- 本の中でも注釈があるように立て付けが変わっても、各サービスの内容自体はまだ使えるので、勉強してみたほうがいい
- 『Google Cloudではじめる実践データエンジニアリング入門[業務で使えるデータ基盤構築]』
- データ分析基盤の構築の仕方の論点を理解するにはこれが圧倒的にオススメ
- BigQueryを中心としたデータ分析基盤の構築の仕方、実用における各サービスの使い分けなどについてきちんと書かれており、データ分析基盤を構築する人は一読しておいて損はない本
5. まとめ
試験対策としては、模擬問題集をひたすら解いていくのが一番でしょう。
大枠を理解するには、GCP公式がおすすめするオンライントレーニングか、私のオススメした書籍で勉強するのがオススメです。
初学者が急に模擬問題集を解いても、さすがに理解が進まないので、実務経験が浅い方は、まずは全体像を理解する勉強をしてみてはいかがでしょうか。
試験の最新の情報は、公式ドキュメントを必ず参照するようにしてくださいね!
6. その他参考記事
認定試験の概要やAssociate資格勉強法について
- Google Cloud認定資格とは?本気で目指すならGCPトレーニングがオススメ
- GCP資格試験とは?種類・難易度・受験料・おすすめの勉強方法を解説
- Google Cloud (GCP) 認定資格対策 - 2020年1月更新